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冬のアウトドア服を再考する

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冬のアウトドア服をただ暖かいものと一括りに考えていませんか。

体は激しく動かすわけで厚すぎることもあります。

小まめに脱いだり着たりしながら上手に調整することが大切です。

ゴア・テックスの凄いところは気化した水分を外に排出し、液体を遮断します。

 

 

ファッションか?実用的か?

 

実用的に考える

 

冬山に登る際の服装は

下着+らくだ上下+カッターシャツ+ニッカポッカズボン
+セーター

純毛が基本です。羽毛服にしてもグースダウンを使用する。

これは第一に濡れても保温性があり暖かい。

グースダウンは当然、水鳥の胸の柔らかい毛を使う。

冬山だから暖かくする。これは当たり前のことであります。

しかし、重い荷物を持ち体力の限界まで運動するわけですから行動中は暑い場合もあります。

出来る限り薄い着衣を小まめに脱いだり着たりして調整出来ることが望ましい。

 

国内のアルプスで羽毛服は大げさだと思う。

常に体を動かしているわけですから行動中は暖かいと思います。またテントを張って食事の用意をする際にストーブを焚く。

この時も実際は半袖一枚になりたいほどに暖かい。

 

だがひとたびストーブを切れば3分ほどでテントは凍り始める。

その時までに寝袋の中に入る。

そして、翌日起床する際、寝袋は人から発散される水分で濡れている。

 

真冬の山で使う着衣は濡れても暖かいことが基本だ。

また寒暖差が激しいので調整機能が不可欠になる。

もしグースダウンの羽毛服が必要であるとすれば

テントがない状態での緊急避難的露営で使う。

若しくは岩壁登攀中の予定されたビバークの際だ。

ハーフサイズのシュラフ(寝袋)に下半身を包み上半身は羽毛服を着ける。

 

この状態で12月末に富士山吉田大沢九合目でビバーク訓練をした際の暖を取る全てだ。

マイナス18℃~28℃位の環境です。

当然、眠れるわけはないので目を瞑って朝を待ちます。

 

漆黒の星空が少し群青色になって来る。

太陽が頭を出す何十分前だろう。

そこから繰り広げられる朝の始まりは人間が作る映画や電飾を遙かに凌ぐ大パノラマだ。

寒い、厚い、そんなことは考えている余裕はない。

 

マイナス10℃位の中で行動をする。風の影響は

風速1メートルで体感温度を1℃下げる。

しかし上下に2枚重ねのヤッケを着込んでいるので風の影響はない。

 

しかし頭や足、手はそれなりの工夫が必要になる。

靴ごと足を寒さから保護する為にオーバーブーツ(ナイロンで出来た袋)を履きアイゼンを滑り止めとする。

手は基本ハンガリー手袋と呼ばれる太い毛糸で作られた五本指の手袋を常用している。他の手袋では為す術がない。

 

それでも厳しい場合はナイロン製ミトンの手袋を着用する。

4本指で一袋と親指だけの手袋だ。この状態が完全武装になる。

頭は目出帽を被りヤッケのフードで風を避ける。

 

極端な経験で言えば目出帽は降雪後の強風でヘルメットのように硬く凍ってしまう。

自分の吐く息がそのまま目出帽で凍り付く。

風がなくなりヒートアップした体で溶けるまで目出帽は頭と一体になった状態で脱げない。

 

ゴッグルも必要アイテムになる。

これは高校生の時、山岳部で冬山登山時の服装だ。

 

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登山用品・アウトドア用品を売る店がなかった。

新大久保のICI石井スポーツ

水道橋のさかい屋

ちょっと遅れて馬場のカモシカスポーツ(今井道子さん)

巣鴨のゴロー

ニッピンで登山用品を買うと遭難すると噂された。
(ごめんなさい。安かったのでこんな風に言われた。)

御徒町のアートスポーツ

登山用品店はこの位であった。

初めはほとんどICI石井スポーツで買っていた。

まだアウトドアなる言葉のない時代である。

羽毛服を羽織り下駄とジーパンで町を闊歩する姿は私たちが流行らしたような気がする。

ゴローは登山靴専門で衣服は少なかった。

 

御徒町のアートスポーツが出店して一気にアウトドアなる風潮が一気に広まったような思い出がある。
(これは私の思い込みです。)

 

雑誌で言えば『山と渓谷』『岳人』

社会人になってからは『森羅』(シンラ、アウトドア専門雑誌)

を欠かさず買っていた思い出がある。

 

若さがあるから当然、ファッションを気にしていた。

それは女性からどう思われていたかどうかは不明ですが

その時は格好良いだろうと思っていた。

 

例えばナイロンのヤッケは雪面を滑るのでその上からラクビーのダボダボユニフォームを着た。

 

今はファッショナブルで素晴らしい

 

モンベルは後発である。

実用的なものも提供してくれるが町使いのものも多い。

しかし私も買っている。

 

アウトドアは何も山には限らない。

アートスポーツではアクアラングやヨット関連用品も売られている。

HELLY HANSEN (ヘリーハンセン)なんかはデザインも良いし頑丈に作られている。

 

ヨットパーカーなど30年愛用している。

今も尚、古さを感じないところが凄い。

スキー、スノーボードまで含めるとその商材の数量は数え切れない。

 

ゴールドウィンさんなんかは相当売り上げを伸ばしたんじゃないかと思っている。

20年前でスキー用品を一式購入すると30万円50万円する。

これがウィンタースポーツを下火にした原因だと思っている。

 

旅費宿泊費を考えると若者には手の出せない遊びになる。

身の丈に合った買物をお勧めします。

 

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