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”やおきん”のサワーペーパーを仕掛けた男

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駄菓子で儲けるのはとても大変なことだ。

この時代に成って過去を引きずって売るわけではない。

どんどん駄菓子メーカーが廃業していく中で新しく生まれて来た。

素晴らしい企画力である。

 

 

沢山の人が毎日のように商品を持ち込んで来ますがなかなか選ばれないない

 

容易には生まれないヒットする駄菓子

やおきんに年末のご挨拶と思い暗くなった頃合いにお伺いした。

親方が珍しく事務所にいてお話をした。

「大浦くん、今年は佐々木さんの一人勝ちだよ!」
と嬉しそうに話しかけて来た。

サワーペーパーと名付けた商品が確かに売れたようだ。

ソフトキャンディと呼ばれる範疇になるのか?グミなのか?

ゼリーなのか?今もその範疇は解らない。

 

少なくとも1つ食べ切ることが出来ない強烈な味だ。

この味が小学生の男の子に受けるのか、確かに外を歩いていると外装パッケージが落ちているのを度々見掛ける。

強いて言えばノーベルさんのサワーズグミを薄くして長く伸ばしたようなものだ。

 

男の子はこの異次元の味を好むらしい。

1本¥20円だ。見た目、触った感じ、とても20円では買えないほどのボリュームがある。

1本内容量で15gです。

 

フレーバー(味は6種類)何処で何を思いこれを商品化したのだろうか。

これが売れるのが解らない。

 

解らなければ子供向けの商品の目利きが効かないことになる。

 

 

 

 

グレープ・コーラ・アップル・レモン・サイダー・梅にて全6味ある。

全部を味わったことが無い。反省である。

一度全部を購入し食べてみなければいけない。

当時で1日155,000本/日、売れている計算になると佐々木さんが語っていた。

 

その商売をほとんど一人でやっている。

原産国はタイになる。

年間で560,000,000本売っている計算になる。

 

はじめは商品企画のピントが合わなかった

佐々木さんはお付き合いを始めてから暫くは国産の原材料でガムなどを考え、包装はお手伝いをしておりました。

その後、韓国産や東南アジアの製品を工夫し投入していました。

1ロットは売り切りますがエブリデイ商品に成るのはなかなか難しい。

 

タイでどうやってこのような製品をこの価格で生産出来るメーカーを見つけて来たのであろう。

はじめは⌀18程の中空糖衣丸玉ガムに金粉を塗ったものを1ケースに1個入れた商品等を企画していた。

射幸性のある商品はなかなか難しい。

 

中国から安価な包装機械を買わせ今回のサワーペーパーを作らせたらしい。

普段、月に1回ほど佐々木さんのところへも訪問していました。

そこでいろいろな話をさせて頂きましたし多くの勉強もさせて頂きました。

 

若い時代は大手菓子メーカーに勤務され原材料の手配や欧州製の包装機械の買い付けを行っていたそうです。

1年の2/3は海外で活動されていたと聞き及んでいます。

英語が聞き分けられて、そして話せるか、そして食品等の貿易についての知識があるかで勝負が決まる。

 

ある時、板ガムを銀紙の状態まで包装したものを100万枚の見積をお願いした。

目の前で電話を掛けている様子を見ていた。

話し始めの台詞は記憶にありませんが途中で「NO!NO!  Aluminum Foil Only paper」とのお話を伺い、英語が分かるのでは無く、英語を上手に使う事だと知りました。

 

虚仮の一念岩をも通す

 

製菓菓子業界を永年歩き続け、佐々木さんは晩年、当たりくじを引いた。

ほぼたった一人でマレーシアに始まりタイランド、ベトナム、韓国と3ヶ月に1度ほどの割合で訪問活動を行っていた。

いろんな商材を見つけて来ては横浜税関に訪問し税率を決める際の商品の範疇を確認しに行ったり、検疫所に輸入可能かどうかを確認しに行っていた。

 

 距離的に歩いて5分もかからない場所に事務所を構えていた。

事務所と言うよりは2DKのマンションを拠点にして自分流の仕事をしていた。

毎日、夕刻の5時近くになると輸出入関連の就業者が訪れる飲み屋さんに通う。

 

情報を取る為であり、また自身の仕事がスムースに行くようにと通っていた。

ご自身が飲みに行きたいこともありましたが。

私もちょくちょく事務所に通っていたので行動パターンを認識していました。

 

但し、当時は私は酒を飲まなくなっていたので5時からの付き合いはしていませんでした。

 

製菓菓子に捧げた人生

 

チューイングガムについてはとても詳しい方でした。

そしてその配合についても通常のレベルを超えるほどでした。

私も実際に海外とのやり取りを行いましたがなかなか大変です。

相当の経験が無い限り容易に行うことは危険極まりないと思います。

解っている方々には当たり前のことが解っていないと前にも進めません。

そこはやはり専門家に任せなければ出来ないことです。

そのような事等を含め一人で出来るからこそ安価な価格での供給が可能になります。

それが一人勝ちを実現出来た才覚であると思います。

発売後、10年はまだ過ぎてはいません。

今も尚、変わらぬ数量を輸入しています。

しかし、今生で二度と佐々木さんと

お話しをする機会はありません。

思えば勝手に世間には話せないお話しを聞かせて頂きました。

 

 

 

 

※個人のお名前については本名を避けさせて頂いております。

★一人勝ちの商品企画、その商品の名はサワーペーパー

★お菓子,サワーペーパー,駄菓子,ヒット商品,ロングライフ商品,やおきん,グミ

★一人で動き、一人でかんがえ、一人で仕入先を探し、一人で商品化、そして一人で売り込みし、一人勝ちをした男

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