タカラスタンダードが先に売り込みに成功していた。
特にお客様の気持ちがお気に入りならば
販売店も工務店も変えようとはしない。
販売店の展示即売会で挽回する術はなかった。
99対1の状況を逆転する方法
スタートから勝負はついていた。
ここからの挽回が出来ます。
出展していた流し台メーカーは2社だけ
100万円越えのセットで明細まで出ている様子だ。
ライバル社の展示品をお客様と工務店様と
そして販売店担当者がダメ押しのように
その展示スペースでユーザーを囲み談笑している。
悔しいが仕方のないことだ。
営業マンをしていればグッドな出来事より
バットな出来事が圧倒的に多い。
そこで腐っちゃーいけない。
10人のお客様に対応して3名決めれば3割打者だ。
何に困っているのか?
何を求めているのか?
これを探索するのも仕事のうち。
ライバルを褒めちぎれ
ここでライバルをけなすとお客様をけなしたことになる。
お客様は気に入っているわけだから
お客様の気持ちを不愉快にさせてしまう。
ここではライバル商品を徹底的に褒める。
やっぱりホーローの流し台は丈夫で良いですね。
ホーローだと表面の掃除も楽ですよね。
ワークトップのステンレス仕上げが魅力なんですよ。
商品も高級感がある割に手ごろな価格ですよ。
だから数量もかなり売れているんですね。
取りあえず何を買うのか決めてもあるわけで
お客様は他社製品もちょっとだけ見に来る。
ほぼ商談は成立している様子だ。
工務店さんも販売店営業マンも既に気にもかけていない。
お客様はそんな隙にこちらの流し台も見に来た。
ここでライバルの悪口を言えば勝負は終わる。
引き出しの作りや扉の丁番もしっかりしているし良い買物ですよ
ただ一つだけ
これだけは自慢なんですよ。
ワークトップがステンレスですしキャビネットもステンレスなんです。
水回りの商品なのでここだけは自慢させて下さい。
夕刻、展示会も終わり、明日の準備をして帰ろうとしていたら
販売店の営業マンが私のところに来た。
表情のない顔をしていました。
これそっちで決まったから。
なんと明細を書いた伝票を持って来たんです。
ライバル社があまりにもしつこいので君のところが良いと言って帰って行った。
と言うことです。
ライバルを褒めちぎれ、最後に一つだけ、一番のいいところをさらっと言う。
これが一発逆転の秘訣です。
絶対にライバル社の悪口は言ってはいけません。
たったこれだけのことで150万円の買物の気が変わるのです。
この時ほど勉強になったことはありませんでした。
皆さんもそんな機会があったら真似してみて下さい。
(実は何かの本に書いてあったことを愚直に実践したんです。)